性的いじめは中学生が一番被害が多い。子供を守る親の対処法は?

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多感な時期である中学生時代に性的ないじめの被害を受けると、その後の人生に大きな負の影響を与える可能性があります。

 

今回は、性的ないじめを受けている中学生を持つ親の考え方や行動について考えてみます。

性的ないじめを受けた中学生の実態

性的ないじめと聞いて、みなさんはどのようなことを想像するでしょうか?

 

スカートめくりをされる、胸やお尻を触れる、性的に不快感を感じる言葉を浴びせられる、陰部の露出を強要される・・・。

 

これらの行為だけではありません。今の時代、中学生の性的ないじめは昔とは比べ物にならないほどエスカレートしてしまう可能性があります。

 

特に思春期を迎え、多感な時期である中学生時代の性的ないじめを受けている被害者は、異性に正常な恋愛感情を抱くことができなくなる「異性への不信」を招く可能性が高くなります。

 

さらに自分自身を大切にし、自分の存在意義を感じることができる「自己肯定感」を否定する結果へとつながっていきます。

それだけではありません。体は大人に近づくのに、精神的には発達途中の中学生時代に性的ないじめを受けてしまうと、自分の「性」を大切にすることができなくなってしまいます。

その結果、不特定多数の異性と関係を持って望まない妊娠をしてしまったり(させてしまったり)、将来、風俗などの性産業に従事することになる可能性もあります。

まして、インターネットが普及した今の時代では、中学生でも簡単に性的な情報を入手することができるようになっていますから、性的ないじめの内容も、陰険で、悲惨な内容になってきています。

 

それらのことを考えると、性的ないじめを受けた被害者が、自殺などの最悪の選択をしてしまうことだってあるのです。

もし、愛しい我が子が性的ないじめの被害にあっているとしたら、その状況からどのようにして救ってあげればいいのかを、これから述べていきます。

 

【性的ないじめとはどんなものなのか】
ここで、過去に起こった性的ないじめの事件について見てみましょう。

1996年に、北海道の旭川市の女子中学生が、集団で性的暴行を受けたという事件が発覚しました。
被害者である女子生徒は、中学1年生の頃にスカートめくりなど軽度な性的いじめを受けていたとされています。

そして、加害者である男子生徒10人は、胸やお尻を触るなど、徐々にエスカレートさせていきました。
中学2年生になると、加害者の男子生徒の家に連れ込まれるようになり、それから毎日、アダルトビデオさながらの、筆舌に尽くしがたい、書くこともはばかれるような内容の性的暴力を受け、最後は強姦までされてしまったのです。

さらに最悪であったのは、その被害を担任教師に告げたにも関わらず、担任は男子生徒に口頭で注意するだけに留めたため、いじめはエスカレートしてしまったのです。

結果、刑事事件に発展し、加害者のうち3人が少年院への送致となり、その他の加害者も試験観察、保護観察処分となりました。

さらに、担任教師は複数にわたって相談を受けていたにも関わらず、真剣に向き合うこともせず、学校もこの事実を隠蔽したため、結局は被害者生徒と親に対して損害賠償が支払われるということになりました。

性的ないじめは女子だけにとどまりません。中学生ではありませんが、過去には男子高校生が、人前でマスターベーションをさせられるなどの性的いじめの被害を受け、被害生徒が加害生徒を殺害してしまった事件もあります。
これらのように、性的ないじめは、適切に対応しなければ、どんどんエスカレートし、取り返しのつかない事件にまで発展した例があるのです。

 

子供が性的いじめの被害に遭っていると知ったら

過去に起きた悲惨な事件の例を紹介しましたから、みなさんは心配になったかもしれません。

しかし、性的なものに限らず、いじめというのは徐々に徐々にエスカレートしていくという特徴がありますから、早い段階でであるみなさんが適切な対応をすることで、被害を最小限に食い止め、我が子を救うことができます。

中学生は、思春期の真っ最中です。第二次性徴をきっかけに、身体は急速に大人に近づいていくのに、心はゆっくりと成長していきます。さらに、社会はまだまだ中学生を子ども扱いしますから、そのギャップに戸惑う時期なのです。

まして性的なことについて敏感な時期でもありますから、性的ないじめを受けているなどと、素直に打ち明けてくれる子どもは少ないでしょう。

思春期、反抗期、ただでさえ我が子との向き合い方に戸惑う時期なのに、それにいじめ被害への対処が加わってしまったら、どうすればよいのか。きっと、みなさんは悩まれることと思います。

しかしきっと、この文章を読んでいるみなさんは、我が子がいじめられているかもしれないと思っていたり、ひょっとすると、すでに我が子がいじめの被害に遭っていることに気付いている方が多いでしょう。

我が子の元気がない、学校へ行きたがらない、学校の話題を話したがらない、過度に性的なことに敏感になったり拒否感を示す、体調不良、持ち物や衣服が壊されたり破かれたりしているなど、気付けた状況は様々だと思います。

まずは落ち着いて、我が子がいじめの被害に遭っている(かもしれない)と気付けたことに、自分で自分を褒めてあげてください。それから、これからのことを考えましょう。

もう一度言いますが、中学生は思春期という、多感で難しい時期です。親が、「いじめられてるの?」と直球で聞いても、正直に打ち明けてはくれないでしょう。

歯がゆく苦しいかもしれませんが、まず親にできることは、「見守ること」しかないのが現実です。

しかしそれは、いじめられている(かもしれない)という状況を「放置」するのとは違います。

我が家に安心できる居場所を作ってあげたり、近場や日帰りでもいいので旅行に連れていってあげたり、我が子が好きな趣味に没頭できるような環境を作ったり、状況によっては、学校を休ませるという選択肢を持ってもいいのです。

大切なのは、我が子が、自分を応援し、愛してくれている人がいるという実感を持てることです。そういう状況を作ることができれば、きっと、打ち明けずらい性的ないじめの被害についても、告白してくれる日がくるはずです。

 

いじめを受けている中学生への親の接し方とは

多感な時期である子どもが「いじめられている」と告白してくるということは、相当の勇気や覚悟がないとできないことです。

まして、第二次性徴を迎えた後の思春期の時期に、そのいじめが性的な内容であったら、なおさらのことです。

「いじめられている子にも悪いところがある」「いじめられるのは弱いからだ」などの考えを持つ親もいるようですが、いじめは完全にいじめている加害者が悪い、犯罪行為でもあります。

ですから、いじめ被害を告白してくれた我が子に、「あなたにも非があったのでは?」
「もっと強くなればいじめられなくなる」「気にすることじゃない」などの言葉は、子どもの心をさらに傷つけることになるため、NGワードです。

逆に、「言ってくれてありがとう」「もう大丈夫だよ」「お父さんお母さんは絶対に味方だから」「絶対に守ってあげる」などの言葉は、自分が一人ではないことを実感できる、安心感を与える言葉です。

親であるあなたも、動揺しているかもしれませんが、まずは、学校で孤独感に打ちのめされている我が子を安心させてあげましょう。

その後は、「どんなことをされたの?」「どういう状況でそうなったの?」など、直接いじめられている情景を思い出させるような質問は避けるようにします。

親としては、どんなひどい目に遭ったのかを知り、対応策を考えたいところですが、子どもは、少しずつ、少しずつ話をしてくるものです。

「辛かったんだ」と言ってくれたら、「そうか、辛かったんだね」と繰り返してあげます。同じように、「○○をされたんだ」と言ってくれたら、「そっか、○○をされたんだね」と繰り返してあげます。

これは、カウンセリングの世界でよく用いられる手法です。安心感と信頼関係を築くために、とても有効な手法だとされています。

すぐに全てを聞き出さなくても大丈夫です。何日かかけて、我が子が葛藤の中で話せる状況で話してくれるまで待ってみましょう。場合によっては、その間は学校を休ませるくらいの考えでいても大丈夫です。

そして、一通りの話を聞いたら、やはり最後は、「これからは、絶対に守ってあげるから」ということを伝えてあげましょう。

 

性的いじめをやめさせるためにできること

我が子が性的ないじめを受けているという事実がわかったら、それを一刻も早く止めさせることが大切です。

繰り返しになりますが、いじめは徐々にエスカレートしていきますから、いじめを止めさせるのが早ければ早いほど、その被害は小さくて済むのです。

事実関係の確認が取れたら、まずは学校に相談することになります。しかし、担任の先生が我が子とは違う性別の場合、例えば我が子が女の子で、担任の先生が男性であった時などは、相談しずらいこともあるでしょう。

さらに日頃から担任が信頼できる先生でない場合もあるでしょう。そういう時、特に中学生の性的いじめの内容を学校側へ相談する場合は、養護教諭への相談が有効です。

実は私の母は養護教諭をしていました。教員免許というのは、小学校、中学校、高校とそれぞれ異なるのですが、養護教諭は1つの免許で全ての学校に勤務できますから、私の母は、小・中・高と全てに勤務した経験を持っていました。

今はまだまだ、児童生徒の心理的な悩みに対応するスクールカウンセラーの配置が進んでいませんから、養護教諭は、子ども達の心理的・身体的な相談にのるカウンセラーの役割が大きいのです。

中学校、高校に勤務していた時の母はよく、「相談ごとばっかり」と言っていました。そしてその相談の内容は、学年が上がるにつれて性的なものが増えていたようでした。

女性が圧倒的に多い養護教諭であれば、性的ないじめについて、まして思春期を迎えた中学生の我が子のことでも相談しやすいでしょう。まずは、業務の特性上、子ども達の心身の発達に詳しい養護教諭への相談を視野に入れましょう。

もし、それでも解決できなければどうすればいいのでしょう。

本来あってはいけないことですが、すでに過去の事件の例で紹介した通り、学校側が適切な対応を取ってくれない場合もあります。

教育委員会、地域の子育て支援センター、児童相談所、弁護士など、相談できるところは数多く存在しています。

お住まいの地域や、性的いじめの内容によって相談すべきところは変わってきますから一概には言えませんが、インターネットを調べると、電話やメール、手紙で相談できる機関や組織が多くあることがわかります。

性的ないじめ、しかも中学生であれば、公的機関であるとはいえ、地域の人に相談しずらいことも多いでしょうから、これらの機関・組織に相談するのも有効な手段のひとつです。

 

性的ないじめを受けた中学生の最終手段は、転校や休学

様々な選択肢の中で、相談すべきところを考え、相談して、性的ないじめを解決できたとしても、我が子が受けた心の傷はそう簡単には癒えないかもしれません。

まして性的ないじめは屈辱的なものも多く、羞恥心からいじめが止まっても学校に行けない場合も多いものです。

そんな時は、無理矢理にいじめがあった学校へ行かせなくてもいい、という選択肢があります。

正式な手続きを踏めば、一定期間学校を休ませることができる「休学」という制度もあります。

また、転職や転居などの必要が出てくるので簡単ではありませんが、状況が許すのであれば、今通っている学校とは違う学校へ通わせる「転校」という手段を取ることもできます。

これらのことは、親にとっては一大決心かもしれませんが、自殺や、長期間にわたるトラウマを抱えてしまうなど、いじめによって我が子が最悪の状況に陥らないために、最後の最後に取る手段として、頭に入れておきましょう。

 

中学生の性的いじめから子供を守る親の行動

いかがでしたか。

我が子が多感な中学生の時に性的ないじめを受けていたとしたら、親のあなたは動揺し、混乱するかもしれません。

今回は、不幸にもそういう状況になってしまった時の親の対応や考え方について考えてきました。まとめてみましょう。

 

・多感な時期である中学生時代に性的いじめに逢うと、「異性への不信」を抱く可能性が高くなるばかりか、自己肯定感を持てず、自分の「性」を大切にできなくなることで、望まない妊娠や将来性産業に従事する可能性があります。

・過去には、性的いじめがエスカレートしていった結果、中学生の加害者が少年院送致になったり、被害者が加害者を殺害してしまうという事件も起きました。このことから、早期に解決することが重要であることがわかります。

・我が子がいじめの被害を受けていることを告白してくれたら、いじめを受けていることで孤立しているであろう我が子を安心させてあげることが大切です。

・そのために、親が根掘り葉掘り聞くのではなく、子どもが少しずつ話してくれる状況を作るため、「辛かったんだ」という言葉に「辛かったんだね」と繰り返すなど、冷静にカウンセリングでも使われている手法を用いると有効です。

・学校への相談先は、担任の先生だけではありません。むしろ、養護教諭の先生が有効である場合がありますので、よく検討する必要があります。

・いじめの内容によっては、地域にある組織や、弁護士などへの相談も検討する必要があります。しかし、性的ないじめという特性上、子どもの心情を考慮し、電話やメールで相談できるところを調べることも必要です。

・子どもを守るため、最後の最後は、いじめが行われている場所である学校を休ませる「休学」や、今あるいじめがない学校への「転校」も視野に入れておきましょう。

 

現代社会は、大人の社会では、上司が部下に「髪の毛切ったね」「今日の夜飲みに行かない?」という言葉をかけるだけでセクハラ、パワハラと言われかねない時代になりました。

それだけ人権意識が高まってきたということが言えますが、子どもの世界では、そんなこと関係ないのが現実です。

中学生という難しい時期に、その時に受けたいじめが原因で、負の連鎖が起こらないようにするため、これらのことを参考にしてみてください。
あなたのお子様が、健やかに成長することを、心から祈っています。

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